キヤノン iVIS HF10/HF100

実売価格 iVIS HF10:13万円前後 iVIS HF100:11万円前後(発売時)
キヤノン iVIS HF10 / iVIS HF100 価格比較

SDカード採用、ファインダー省略で大幅な小型軽量化

iVIS HF10/HF100は、キヤノンとしては初めてのフルハイビジョン記録対応機で、これまでのキヤノンのどの機種とも違うまったく新しいモデル。SDメモリーカードを採用し、ビューファインダーを省略することで大幅な小型軽量化を実現。「ダブルメモリー」でお馴染みの「HF10」では、さらに16GBのフラッシュメモリーを内蔵し、最高画質で2時間強の録画が可能になっています。

「HF10」と「HF100」の違いはフラッシュメモリーの有無で、他の部分はまったく同じ。「ダブルメモリー」をうたう「HF10」は、16GBのフラッシュメモリーを内蔵し、最高画質での記録時間は2時間5分。100GBを超えるHDDを搭載する機種もある中、16GBでは物足りない気もするのですが、カメラ内で編集してからSDメモリーカードに落とすことを考えれば、まあ妥協できるレベル。大容量化が難しいフラッシュメモリーを敢えて搭載したのは、カメラの小型化を優先したからであって、SDカード専用モデルのHF100も、「ダブルメモリー」のHF10もまったく同じサイズで重さも一緒。

サイズは73(幅)×64(高さ)×129(奥行き)mmで、奥行きこそHDDモデルの「HG10」と変わりありませんが、幅・高さが大幅に切り詰められていて、重さも430gと100g以上の軽量化を実現しています。

画質のキヤノンを思わせるクオリティ

今回の両モデルは撮像素子、レンズユニットともに一新。新開発の1/3.2型CMOSセンサーは小型化されていますが、有効画素数は動画で207万画素(16:9)、静止画276万画素(4:3)と従来と変わりありません。撮像素子の小型化の悪影響が気になるのですが、最低照度は従来と変わらず3ルクス(シャッタースピード1/30秒時)家庭用ビデオカメラとしては、数値的にはかなり上位に位置します。

キヤノンはHi8時代から、画質へのこだわりが強いメーカーで、古くから光学式手ぶれ補正やプログレッシブスキャン、原色CCDなど革新的な技術を投入してきました。特に「HV10」以降の自社製CMOSセンサーを搭載したハイビジョン機では、これまでなかなか超えられなかったソニーを画質面で抜き、「最も高画質なのはキヤノンのハイビジョン」とも言われるまでになりました。ただ、ビットレートが低いAVCHD機ではソニー同様、画質面で一歩後退し、画質を優先する一部のマニアからは、同社のHDV機「HV20」が支持されていたようです。

しかしHF10/HF100では、必ずしもそれが当てはまらないようです。部分的に低ビットレートの影響がでている部分もあるようですが、解像度が非常に高く、発色も豊か。さらにS/Nも良く、見通しのいいクリアな画質は、これが本当に10万円そこそこの家庭用ビデオカメラの画質なのかと思えるくらいです。

光学12倍ズームはワイド側が物足りない

ズームレンズは、撮像素子の小型化にあわせて、新設計の光学12倍ズームを搭載。他機が判を押したように10倍ズームなのに対し、小型化を図りながらズーム比を上げてきたのは評価できます。が、ワイド側の画角の狭さは不満。35mm換算で42.9mmと、家庭用ビデオカメラの中では標準的なのですが、そこに問題があります。

ハイビジョンのワイド画面で高精細な視聴環境では、アップよりもロングショットを多用したくなるもの。そうなると広い画角が欲しくなるのですが、ワイド側の画角で満足できるのは「東芝 gigashot A100F」など、ごくわずか。デジカメ同様ビデオカメラでも、そろそろ画角の広さを売りにしたモデルが出てきてもいいと思います。

AF性能は特筆もの

画質以上にライバルに対してアドバンテージがあるのがAF。撮像センサーと外測センサーを併用したAFは、他の撮像センサーのみのAFとの違いは明らかで、テレ側や低照度下でもストレスなく瞬時にフォーカシングします。顔認識機能はないのですが、人物への追従性も良く、これならばフォーカスロックや、使い勝手の悪いマニュアルフォーカスを使う機会はほとんどないと思われます。

バッテリーの持ちは悪い

かなり満足度が高いHF10/HF100ですが、欠点はバッテリーの持ちが悪い点。付属のバッテリーは実使用時間が55分と短く、ソニーあたりと比較するとかなり見劣りする部分。これ1本だけで、済ませてしまう人はほとんどいないと思うので、購入計画時には、あらかじめ予備のバッテリーを予算に入れておいた方がいいと思います。

また今回、小型化のためにアクセサリーシューが独自のものに変更され、規格サイズではないので注意が必要。これまでの同社のマイクやビデオライトは装着不可で、専用のガンマイクが用意されています。

「お手軽カメラ」だがマニュアル機能は豊富

iVIS HF10/HF100は、ビューファインダーを省略し形態性を重視するなど、「パナソニック HDC-SD9」あたりとかぶるキャラクターなのですが、その実力は相当なもの。コアなキヤノンファンからは少々物足りないと思われることはあるかもしれませんが、画質は素晴らしいし、シネマモードや絞り優先・シャッタースピード優先AEなどの作画機能は豊富。またAFやAE、ホワイトバランスなどカメラまかせの性能もなかなかのもので、安心して撮影に専念できます。

キヤノン iVIS HF10/HF100


機種 キヤノン iVIS HF10/HF100
記録メディア HF10:SDメモリーカード/内蔵フラッシュメモリー(16GB)
HF100:SDメモリーカード
記録方式 MPEG4 AVC/H.264
(1920×1080画素記録)
撮像素子 1/3.2型 総画素331万画素CMOSセンサー
 動  画:有効207万画素
 静止画:有効276万画素(4:3)
手ぶれ補正 光学式
レンズ 光学12倍ズーム
 35mm換算:42.9〜514.8mm(動画)
最低被写体照度 3ルクス(シャッター速度1/30秒)
液晶モニター 2.7型 21.1万ドット
ファインダー -
撮影時質量 430g
発売 2008年2月